飲食店とデジタル系セルフオーダーの話

注文タッチパネルやタブレットオーダー、テーブルQRオーダーなどへの体験に関する雑感です
マキタニ 2025.06.07
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今回はこの2本です。

  • 最近のサイゼリヤ報告

  • 飲食店とデジタル系セルフオーダーの話

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最近のサイゼリヤ報告

前回のニュースレターから行ったサイゼリヤは2回。どちらもランチ。

5月下旬。今年に入ってからサイゼリヤで1回しかパスタを食べていないことに気づく。久しぶりに選ぼうということになり、これまたしばらく食べていなかったパルマ風スパゲッティを中心にチョイス。

一緒に選んだのはアロスティチーニ。

個人的には珍しい組み合わせです。昼からラムを摂取はちょっとした非日常感。

別の日の6月上旬。その日はそこまでお腹がすいていなかったので、チーズフォッカチオを食べようということに。

大人なのでチーズフォッカチオは2個、それに田舎風ミネストローネとドリンクバー。

チーズフォッカチオは大好きです。ほら、焼きたてのチーズパンは間違いなくおいしいんですよ。

チーズフォッカチオはすでに「2025年一番食べたメニュー」にほぼ確定しています。4月に登場してもう6個食べていて、今後もこのような「2個注文」を繰り返すと思います。

ごちそうさまでした。

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飲食店とデジタル系セルフオーダーの話

少し前に、飲食店における注文方法のデジタル化に対する体験や課題についての記事を見かけました。チェーンの飲食店をはじめさまざまな店舗が導入する「注文タッチパネル」「タブレットオーダー」「テーブルQRオーダー」などへの体験に関するものです。

私も日常の外食で体験する中で、「これはいいね」「これはあんまりいい体験ではないかも」「これは仕方がないよね」と思うことがあります。ここでは少し考えをまとめてみます。

課題と感じる点

日本特有かもしれない「細かなバリエーションやカスタマイズ」がそのままデジタルに乗ったため、その操作や判断をすべてユーザーが担わなければいけなくなった

飲食店で注文する際、思っている以上にバリエーションやカスタマイズがあります。ごはんの種類や量、内容へのオプション、セットの有無や種類や食前食後の選択といったものです。

これが従業員とのやりとりであれば会話のキャッチボールで済むのですが、この対応がすべてユーザー側になってしまいました。これまでは自主申告だったものが選択肢として設けられるようになったものもあります。

加えて、これまでは従業員側の把握や判断だったはずの「人数」「子どもの人数」なども、ユーザー側の入力対応になっています。

シンプルに定食を1つ注文するのに、ボタンを相当な回数押さないと注文が完了しない

従来なら従業員との数回の会話のキャッチボールで済んだはずの注文が、画面のボタンを10回ぐらい押さないといけないことがあります。

「ご一緒にいかがですか」のステップを必ず挟み、そこに並ぶおすすめメニューが多い

本来必要としないはずの無駄なボタン操作を多く必要とすることがあります。このステップで「次へ」ボタンを何度も押すのはあまりいい体験ではありません。某定食チェーンで感じます。

「カートに入れる (画面遷移なし)」「注文内容確認でカートページを開く」「注文を確定する」の流れがわかりにくい

メニューをカートに追加した際に画面遷移がない場合があり、それにもかかわらず注文確定の際には明示的にカートページに行く必要があったりします。年配の人の中にはどうしていいかわからないと聞きます(実際にタブレット注文を手助けしたことがあります)。

タブレットオーダーで、画面をスワイプできるタイプとスワイプできないタイプがある

年配の人がスワイプできない画面をスワイプ操作をして、意図せず注文するつもりのないメニューを追加してしまいます(手助けした際にそういった場面に出くわしたことがあります)。

押す必要性の高いボタンが小さい、あるいは気付きにくい

「次へ」「注文内容確認」など、小さかったり端の方に設置されていたりします。

QRコードが反応せずURLが開かない、店内の携帯電話の電波状況が悪いなどでページ表示が遅い

意外にあります。例えばURLが長くなればQRコードはどうしても細かなものになってしまいます。電波状況は、都市部の人が多いところではつながりにくいですし、地下や奥まったところの店舗ではなおさら電波状況は悪くなりがちです。

注文でLINE登録が前提になっていると厳しい

ユーザーにとっては単なる飲食店の注文です。皆がそのブランドをLINE登録したいわけではありません。登録前提になっているとかえってブランド毀損を起こします。

正確にはLINE登録を避けられるケースもあるのですが、あえて登録前提のように見せています。邪悪なダークパターンUI(ユーザーインターフェース)です。

自分で店舗名の選択とテーブル番号の入力が必要

某ハンバーガーチェーンですね。テーブルQRオーダーの導入は2024年頃からと最近なのですが、ちょっと首をかしげたくなります。

名前、電話番号(入力欄3つ)、メールアドレスなど入力項目が多い

これも同じハンバーガーチェーンですが、テーブルQRオーダーでの入力項目が非常に多かった印象です。一度試した際に注文に10分ぐらいかかり、それ以降は再びカウンターで注文するようになりました。

決済まで済ませるタッチパネルでポイントが関わると画面内容が難しくなる

仕方がないかもしれませんが、あまりスマートではありませんね。

ブランドや店舗によって注文システムがまちまち

テーブルのタブレット端末なのか自分のスマホを利用するのか、またその中でも画面やステップや表現はさまざまです。

使い勝手がその後の利用に影響する。使いにくいと利用が減る

一度使い勝手の悪さを体験してしまうと、その後その店に行かなくなります。飲食店ではないのですが、私はセルフレジの使い勝手が極端に悪いためにローソンを避けるようになりました。

事務所の近くに某牛丼チェーンがあるのですが、最近新しい店舗スタイル「クッキング&コンフォート」にリニューアルしました。実際のところはわかりませんが、年配男性の利用が減っている印象です。客側エリアはキッチンと壁で隔てられて従業員がいないため、タッチパネルオーダーを利用したくない人が口頭で注文しにくい構造になっています。心配です。

慣れると気にならなかったり、時間が解決する側面もありそう

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