神コスパ「ガストフィットメニュー」はサイゼリヤの「インフレ受け皿ポジション」の対抗馬となるか
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今回はこの3本です。
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神コスパ「ガストフィットメニュー」はサイゼリヤの「インフレ受け皿ポジション」の対抗馬となるか
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サイゼリヤ、一部店舗限定で新しいイタリア直輸入デザート「ボネ」「アマレッティ」を提供
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おまけの話
神コスパ「ガストフィットメニュー」は、サイゼリヤの「インフレ受け皿ポジション」の対抗馬となるか
2025年2月20日からスタートしたガストの平日限定の新メニュー「ガストフィットメニュー」。全30品のメニューから3品を選択し、ドリンクバーと日替わりスープが付いて約1000円という内容です。
この「ガストフィットメニュー」、まだ始まったばかりですが、軌道に乗るのではと感じます。専門性の高くない「総合ファミレス」のガストですが、2025年に改めて「ガストに行く理由を作った」かもしれません。
圧倒的な高コスパ(価格競争力の高さ)
約1000円で30種類のメニューから3品を選べるという内容は、ミニサイズのメニューも多く含むとはいえ、かなりの高コスパです。例えばハンバーグとミニねぎとろ丼にデザートを付けて、ドリンクバーも日替わりスープも付いて約1000円というのは、2025年の経済を考えれば希少な存在です。

【平日限定】超お手頃価格の
#ガストフィットメニュー は
夜もご注文可能です🌙
みなさんはどの3品を選びますか🤔?
ハンバーグ?パスタ?サラダ?それともスイーツ?🍦
その日の気分で自由に選ぶことができますよ!!…
いまや「インフレ受け皿ポジション」となったとサイゼリヤで近い組み合わせを考えてみると、ランチメニューにドリンクバーとデザートを付けて同じ値段感になります。
この後に述べるファミレスでのメニュー選びの傾向や日本の消費者の行動を考慮しても、受け入れられやすいと思います。特に若年層や節約志向の人たち、お子様連れ家族などに強いアピールになりそうです。
「メニュー30品から3品」という選択の負担はあるものの、おそらく受け入れられるだろう
懸念点はあります。「メニュー30品から3品を選ぶ」という行為に関して、組み合わせの自由度が不用意に高いという点です。
日本人は事前に決められた「セット」を好む傾向があります。定食が好き、丼やワンプレートが好き、カスタマイズが苦手な民族です。「30品から3品を選ぶ」というのは、一定数の人にとって負担に感じられるかもしれません。
しかし、これは消費者に知名度が高く馴染みあるブランド「ガスト」での展開です。「多くのメニューからいくつかのメニューを選択」というファミレス体験にも消費者は慣れています。そこまでの抵抗はなく、受け入れられるのではないでしょうか。
「サイゼリヤ1000円ガチャ」に通じるエンタメ性
むしろ「ガストフィットメニュー」にはエンタメ性を感じます。「サイゼリヤ1000円ガチャ」にも通じる楽しさがあります。
「サイゼリヤ1000円ガチャ」は、過去にサイゼリヤのファンが遊びで作った「1000円分のメニューを自動的に選んでくれる」Webサイトです(古いメニューのままで現在は更新されていません)。ランダムにメニューが選ばれるため無茶苦茶な組み合わせになるのですが、それを含めて楽しむ内容でした。
ガストフィットメニューの「約1000円で3品自由にチョイス」というのは、エンタメ的にも魅力的です。特に「メイン+サイド+デザート」という伝統的区分を超えて自由に組み合わせられるという点は、かなり楽しいはずです。「ハンバーグ+パスタ+ピザ」でもOKですし、「デザート3品」ももちろんウェルカムです。こういうのはあまり聞いたことがありません。
ガストが仕掛けてきた感があります。
店舗オペレーションへの考慮もみられる
一方で、店舗側のオペレーションへの負担は気になります。
報道された記事を見ていると、オペレーションへの配慮をしながら開発した旨の発言を確認できます。ガストメニュー開発チームの内田氏によれば「元々ハーフメニューは提供しており、新たにハーフメニューとして提供する料理については盛り付けなどの負担を減らせるよう、できるだけシンプルにしている」とのこと。
「ガストに行く理由」を作った
ガストは、専門性の高くない「総合的ファミレス」です。近年ではサイゼリヤなどの「専門性の高いファミレス」の方が好まれ、「総合ファミレス」はメッセージや打ち出し方を見直すフェーズにあるといえます。
そんな中、ガストは改めて「消費者がガストに行く理由を作った」かもしれません。平日限定ではあるものの、消費が節約志向にある市況感の中で「ガストならコスパ良く1000円で食事を楽しめる」というのはなかなか強いアプローチです。
この「ガストフィットメニュー」に合わせて、ガストはタグライン(キャッチコピー)も変えてきました。ロゴに新タグラインを加えたマークも展開するようです。本気モードです。

新しいタグライン「ちょうどいいを、あなたに」と、それをロゴに加えたマーク https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000536.000017486.html
もちろんきっと、ここ数年展開している「著名シェフとのコラボメニュー」「他社とのコラボメニュー」などで高価格帯メニューのアピールも継続するでしょう。「強いなあ」という印象です。
さて、どうなるでしょうか。
機会を作って行ってみたいところですが、事務所最寄りにあったガストの店舗はビルの老朽化に伴って昨年閉店してしまいました。どこかでまた行ってきます。
サイゼリヤ、一部店舗限定で新しいイタリア直輸入デザート「ボネ」「アマレッティ」を提供
2月19日から、サイゼリヤの一部店舗限定で新しいイタリア直輸入のデザートがテスト販売されているようです。以下の3種。
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ボネ
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ボネとミルクジェラートの盛合せ
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アマレッティ