グリーチャとアマトリチャーナの話

グリーチャとアマトリチャーナの話、サイゼリヤが愛媛県に初出店、サイゼリヤが東京/埼玉/千葉でランチメニュー改定、など4本です
マキタニ 2024.09.16
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今回はこの4本です。

  • 最近のサイゼリヤ報告

  • グリーチャとアマトリチャーナの話

  • サイゼリヤが愛媛県に初出店

  • サイゼリヤ、東京と埼玉、千葉でランチメニューを改定

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最近のサイゼリヤ報告

前回のニュースレター配信から2週間の間に行ったサイゼリヤは2回。どちらもランチ。

9月5日、「しばらく柔らかチキンのチーズ焼きを食べてないなー」と思って食べに向かった日。合わせたのは、特に何も考えずに「柔らか青豆の温サラダ」。

「柔らか青豆の温サラダ」。追加でスプーン1杯のオリーブオイルとブラックペッパー

「柔らか青豆の温サラダ」。追加でスプーン1杯のオリーブオイルとブラックペッパー

そしてお久しぶりの「柔らかチキンのチーズ焼き」。

「柔らかチキンのチーズ焼き」

「柔らかチキンのチーズ焼き」

焼けたデミグラスソースの甘い香りが大好きです。

翌週、特に注文したいメニューを思いつかなかったので、そんな日は「注文したことのないメニューを食べる日」。

選ばれたのは「グリーンサラダ」と「小エビのタラコソース」。

これは「グリーンサラダ」というメニュー名だったのですね。

「小エビのタラコソース」

「小エビのタラコソース」

ごちそうさまでした。

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グリーチャとアマトリチャーナの話

先日、よく行くお気に入りイタリアンレストランでランチをいただきました。事前にInstagramでその週のランチを確認して(その店のランチは毎週変わるのです)、3種類あるパスタメニューの一つを見て「あ、これを食べよう」と思って行ってきました。仕事の事務所から徒歩数分のお店です。

そのとき気になったメニュー名は「グリーシア風ベーコンとセロリのペペロンチーノスパゲッティ」。

どんなメニューかをイメージしにくい人も多いと思います。「グリーシア風」と言われても一般的には馴染みがないですし、そもそもこの店のメニュー名は付け方に癖があるので、ちょっと説明しますね。

ちなみにいただいたパスタはこちら。

グリーシア風ベーコンとセロリのペペロンチーノスパゲッティ

グリーシア風ベーコンとセロリのペペロンチーノスパゲッティ

まず、ここのイタリアンレストランのランチのパスタメニューは3種類あります。1つはオイルベース、2つめはトマトソースベース、3つめがクリーム系もしくは変化球のパスタです。

で、オイルベースのパスタにはほぼ必ず「ペペロンチーノ」がメニュー名に付きます。唐辛子を使っておらず辛くないパスタでも「なんとかのペペロンチーノ」になります。オーナーシェフが「多くの日本人は『ペペロンチーノ』を知っているだろうから、オイルベースのスパゲッティの場合はその名前を借りよう」と思っているのかもしれません。

でも、このメニュー名「グリーシア風ベーコンとセロリのペペロンチーノスパゲッティ」を見て、「あ、もしかしてグリーチャかも?」と思った人もいるかもしれません。

そうです。これは「グリーチャ」です。

メニュー名に「グリーシア風」が付き、ベーコンが入り、上からチーズがかけられたスパゲッティであれば、それはきっと「グリーチャ」をイメージしたパスタです。ここではセロリがかなり多く入り、別物のパスタになってしまっているかもしれませんけれども。

で、「グリーチャ」とは。

「グリーチャ (Pasta alla gricia)」は、イタリアのラツィオ州発祥のパスタで、イタリア料理の中でも歴史の古いパスタの一つです。グアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)とチーズのペコリーノロマーノを使ったシンプルなパスタです。

「アマトリチャーナ (Amatriciana)」というトマトソース系のパスタメニューの方がまだ知名度があるかもしれません。「グリーチャ」はその「アマトリチャーナ」の原型とされます。

「アマトリチャーナ」は同じくラツィオ州のパスタで、グアンチャーレとトマト、ペコリーノロマーノを使います。イタリアにトマトが伝わったのは18世紀後半で、グリーチャにトマトを加えたバージョンが広まりそれが「アマトリチャーナ」と呼ばれて人気を博し、グリーチャの方が逆に「アマトリチャーナ・ビアンコ(白いアマトリチャーナ)」と呼ばれたりするようになった、というのが歴史的な経緯です。

という文脈を知った上で、「グリーシア風ベーコンとセロリのペペロンチーノスパゲッティ」というメニュー名を見ると、「あ、もしかしてグリーチャかも?」と気付いたりします。

この日いただいたバージョンは、セロリがふんだんに使用されていました。私はとてもおいしくいただきましたが、セロリが苦手な人はだめでしょうね。

あと、「グリーチャかどうか」と聞かれると少し「うーん」となりますが、日本のランチメニューの体裁として一定の食材を加えてた方が良いだろうという判断でセロリを加え、「ベーコンとセロリのペペロンチーノ」という名前も借り、でもうっすらとグリーチャをイメージして提供した、と考えれば、まあそのネーミングと体裁は仕方がないかもね、と思ったりします。

ちなみに、ここのイタリアンレストランでは「アマトリチャーナ」もたまに登場します。でもメニュー名は「アマトリーチェ風ベーコンと玉ねぎのトマトソーススパゲッティ」です。

アマトリーチェ風ベーコンと玉ねぎのトマトソーススパゲッティ

アマトリーチェ風ベーコンと玉ねぎのトマトソーススパゲッティ

これも「アマトリチャーナ」と呼ばないのは、きっと内容の伝わりやすさを優先したのでしょうね。もしくは何かのこだわりか。

ところで、サイゼリヤでも過去に「アマトリチャーナ」と「グリーチャ」は何度か登場したことがあります。グランドメニューに「アマトリチャーナ」は数回登場し、「グリーチャ」も「アマトリチャーナ・ビアンコ(アマトリチャーナ・ビアンカ)」として登場しています。

2016年のイタリア中部地震の復興支援としてフェアメニューになったこともあります。

ということで、グリーチャとアマトリチャーナの話でした。

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サイゼリヤが愛媛県に初出店

サイゼリヤは2024年9月10日、愛媛県に初出店することを発表しました。「イオン今治店」が「そよら今治馬越」としてリニューアルし、そこに出店とのことです。おめでとうございます。

10月には徳島県への初出店を予定しており、それに続いて四国3県目の進出になります。

サイゼリヤは2021年頃から東北地方や中国地方、四国地方の未出店県への出店を積極的に進めています。

未出店県への出店(2021年以降)

  • 2021年12月:秋田県に初出店

  • 2022年1月:鳥取県に初出店

  • 2022年6月:岩手県に初出店

  • 2022年12月:島根県に初出店

  • 2022年12月:香川県に初出店

  • 2023年5月:青森県に初出店

  • 2024年10月:徳島県に初出店(予定)

  • 2024年11月:愛媛県に初出店(予定)

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サイゼリヤ、東京と埼玉、千葉でランチメニューを改定

サイゼリヤは2024年9月上旬、東京都、埼玉県、千葉県のそれぞれ一部でランチメニューをしました。それ以外の地域については2月からのランチメニューを継続しています。

改定内容は以下。

  • 牛100%ハンバーグプレートのみに。パスタやドリアのランチメニューは休止

  • ランチスープは来店したすべてのお客様が利用可能に

  • ランチドリンクバー(100円)は休止、通常のドリンクバー(200円)のみに

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